
Mos Def / Ms. Fat Booty
ArethaのSoulが蘇る──黄金期Rawkusを象徴するHipHop。NYアンダーグラウンドHipHopの中枢だったRawkus Recordsからリリースされた Mos Def / Ms. Fat Booty のレコメンドです。
ソロ・デビュー作 Black On Both Sides の幕開けを飾るこの1曲は、まさに「新時代のSoul」を体現した存在だといえます。
Aretha Franklinの声で始まる“物語のプロローグ”
イントロで流れるのは、Aretha Franklin / One Step Ahead の切ないヴォーカル・サンプル。Ayatollahによるトラックメイクは、サンプリングの美学を極限まで洗練させた傑作ですね。
Aretha Franklinの美しいフレーズを巧みに切り刻み、ループの上にJazzの残り香を漂わせる。シンプルなのに奥深い、まるで煙のように立ち上がるグルーヴが印象的です。
Mos Defのフロウが描く“1本の映画”
その上にMos Defのスムースなフロウが流れ込む…まるで映像を見ているように描かれるリリックは、出会いから別れまでを1本の映画のように紡ぐストーリーテリング。
恋愛の甘さと痛み、街の匂い、そして人間味がリアルに伝わってきます。「Ed O.G. & Da Bulldogs」や「Gregory Isaacs」など、過去の名曲からの引用をさりげなく差し込むセンスもバツグンっ!
ただ韻を踏むだけではない、「物語を語るラップ」の真髄がカンジられる1曲ですね。
Rawkus黄金期が刻まれた、99年NYの空気
この曲が放たれた当時、RawkusはTalib Kweli、Pharoahe Monch、Company Flowらと共にNY HipHopの希望の象徴でした。その中でも Ms. Fat Booty はクラブでもラジオでも異彩を放ち、DJたちはイントロのAretha Franklinの声が流れた瞬間にフロアの空気が変わるのを体感していました。
ハードなビートでも、暴力的なリリックでもない…むしろその「人間的な温度」が、90年代末のストリートに一筋の光を射したようです。
アナログで蘇る、あの空気感
いま聴いても、サウンドはまったく古びていない。アナログの針を落とせば、柔らかいノイズの中からAretha Franklinの声が浮かび上がり、ビートが息を吹き返す。
それはデジタルでは再現できない「空気感」…この12インチをターンテーブルに乗せた瞬間、あなたもきっと、99年のNYの空気をカンジるハズっ!
1999リリース

























